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感性AI用語集

音韻

「音韻」があらわす対象は、その語を使う分野・人物・文脈などによって異なります。感性AIでは「モーラ」を主な対象として「音韻」という語を使っています(※1)。

モーラとは「長さを基準とした時間的単位」(斎藤純男, 2006, p.102)のことです(※2)。例えば「おばさん」は「お・ば・さ・ん」(4モーラ)にわけられます。一方「おばあさん」は「お・ば・あ・さ・ん」(5モーラ)に分けられます。このように語を長さで区切るときの単位を「モーラ」と言います。

【モーラにもとづいた分けかた】
さっか(作家)→ さ・っ・か 3モーラ
おばさん   → お・ば・さ・ん 4モーラ
おばあさん  → お・ば・あ・さ・ん 5モーラ
チューリップ → チュ・ー・リ・ッ・プ 5モーラ(※3)

このような「モーラ」を、親しみやすい語であらわすため「音韻」という語を使っています。


※1 音韻論における「音韻」の意味を阿久津智(2018)は次の(ア)から(ウ)に整理しています。感性AIが使う「音韻」は(ア)の意味に該当します。
(ア)分節音(音素、音節など)のみ
(イ)分節音+非分節音(アクセント、リズムなど)
(ウ)もとになる音(上の(ア)または(イ))+実現音(音声) (p.25)

※2 ここでの「長さ」は話し手・聞き手が感じる心理的な長さを指します。

※3「チュ」のような拗音(「ゃ」「ゅ」「ょ」を持つ音)は2文字(チュ)で1モーラになります。


【参考文献】
阿久津智(2018)「音韻と日本語学習」『拓殖大学日本語教育研究』3, pp.19-42, https://takushoku-u.repo.nii.ac.jp/record/306/files/%E9%9F%B3%E9%9F%BB%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%AD%A6%E7%BF%92.pdf (2024年8月1日閲覧)

斎藤純男(2006)『日本語音声学入門 改訂版』三省堂

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