防災標語から感じられる強さや安心感
更新日:9月12日
防災は重要な社会的課題であり、日ごろから個人やコミュニティが備えておくことが重要ですが、忙しい日常の中で備えることは中々難しいと感じます。そこで、人々の意識を、人々に対して負荷なく自然と高めていくように、標語やポスターなどが各職場や自治体などの単位で用いられています。これらの標語やポスターをより効果的に用いるためにはどうしたら良いのか考えていきたいと思います。
こちらは東京消防庁で用いられてきた各年度の防災標語です。
平成15~17年度 いつかより 今がその時 地震の備え
平成26~27年度 身を守り 地域と協力 たすけあい
平成30~令和元年度 防災は 日頃の備えの 積み重ね
出典:東京消防庁. “過去の防災標語・危険物安全標語一覧”. 東京消防庁. https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/inf/h31/08/hyogo_kako.html, (参照2024-02-27)
こちらの標語から、どのような印象が感じられるかについて感性AIのAIで計測を行ってみました
それぞれの質的な印象がどのように伝わるのか見てみると、上記の通りになりました。確認しやすいように、まずは「いつかより 今がその時 地震の備え」と「身を守り 地域と協力 たすけあい」について確認していきたいと思います。
2つを比較すると、共通して強さや親しみを感じられる標語となっており、特に「いつかより 今がその時 地震の備え」の方が印象の強さが残る標語です。一方「身を守り 地域と協力 たすけあい」については安心感や落ち着いた印象が強く感じられます。確かに、「身を守り 地域と協力 たすけあい」の方が周囲と協力しながら助け合うことへの安心感や落ち着きを感じることが出来、「いつかより 今がその時 地震の備え」は普段から気持ちを緩めることなく準備に向かうタイミングは今なのだという印象の強さを感じます。
次に、「いつかより 今がその時 地震の備え」と「防災は 日頃の備えの 積み重ね」を比較してみると、上記のようになりました。やはり「いつかより 今がその時 地震の備え」は強さや親しみを感じる、そして印象の強い標語となっています。そして、「防災は 日頃の備えの 積み重ね」は「身を守り 地域と協力 たすけあい」と似ている傾向で、安心感があり穏やかで落ち着いた印象の標語であることがわかりました。日頃から少しずつ備えを積み重ねていくという着実な落ち着きと安心感を感じているのかもしれません。
「防災は 日頃の備えの 積み重ね」と「身を守り 地域と協力 たすけあい」を比較してみるとよくわかりますが、「身を守り 地域と協力 たすけあい」は、安心感があり穏やかで落ち着いた印象がありつつも、強い印象を持った標語ということがわかります。3つの標語の中でも安心感や落ち着きと、強い印象を兼ね備えているのが特徴的ですね。
防災標語はその伝えたいメッセージももちろんですが、それが受け手に取られる印象として、安心感や落ち着きを感じるのか、それとも強さを感じるのか、そのような印象についても配慮することが重要であると考えられます。世の中の情勢に応じてその印象を使い分けることで、人々がより安心に暮らせるまちづくりに繋がっていくことを願っています。
今回利用した感性AIアナリティクスの詳細はこちら
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