感性の3つの計測方法とは?
更新日:9月12日
コモディティ化が進んでいる現代において商品に感性価値を付与していくことはとても重要な要素ですが、その工程で感性についてどのように測定を行えば良いのでしょうか?
今回は、感性情報はどのように計測していくのか、その感性計測の3つの方法についてお伝えしようと思います。
心理学的方法
まず1つ目は心理学的方法です。
代表的な手法としてSD法(Semantic Differential法、意味微分法)が挙げられますが、こちらは心理学者オズグッド(C.E.Osgood)によって1957年に考案され、現在は世界中で用いられている方法です。様々な事モノに対する印象などの測定に利用され、測定対象はコンセプト(概念)と呼ばれます。測定方法としては、コンセプトを多角的かつ明確に捉えるために、反意語のある形容詞や形容動詞、副詞などを多数用意し、それらを両端においた複数段階の評価尺度に対して被験者に評点を付けてもらうことで行われます。得られるデータは数値データとなるため様々な統計的解析が可能です。
心理物理学的方法
2つ目は、心理物理学的方法です。
概念や感性そのものを測定していこうとするのではなく、入力刺激としての物理量と感性情報処理の結果としての出力反応との関係の解明が目標となります。もう少し簡単な言葉でお伝えすると、例えば、素材の表面形状という物理量が変化することに対して、視覚的印象や触覚的印象といった感性的な反応がどのような関係性を持つのかを解明していく方法です。ここでは、個々人の過去の経験や好みによって反応が変わってくるため、個人差が出てくることになります。この個人差は重要であって、感性を重視した評価方法では個人差に向き合っていくことになります。
心理生理学的方法
3つ目は、心理生理学的方法です。
心の動きに応じて生じる、脳や身体の生理的な変化から心の動きを測定しようとする方法です。こちらの方法にはメリットがいくつかありますが、客観的に測定が可能であり数値で表現することが可能である点や、また時間経過に沿って分析を行える点、意識されない刺激・無意識の領域まで研究できる点などが挙げられます。
もっとも指標として多く用いられるのは電位変動であり、中枢の変化に関しては脳波、事象関連電位、MEG、fMRI、PET、NIRSなど高度な計測機器を扱った測定となります。また、抹消の変化に関しては、心拍変動や筋電位、眼球運動電位などを測定する方法などもあります。
そもそも、感性とは何なのか?感性情報とはどのような物があるのか?など、感性計測方法に付随した知見に関して、こちらで弊社COO・電気通信大学教授の坂本真樹が丁寧に解説しておりますので、よろしければ合わせて御覧ください。
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