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ドラゴンクエストの「ド」は印象に残る!? 音の印象を使ったネーミング4選!


ドラゴンクエストのイメージ

商品の売上にかかわるネーミング。商品に名前をつけるとき、大切な要素のひとつが音の印象です。今回は音の印象を活かしたネーミングの事例を4つご紹介します!

 


事例1:ドラゴンクエスト

音の印象を使ったドラゴンクエスト

まずはゲームシリーズ『ドラゴンクエスト』です。タイトルの「ドラゴンクエスト」には、名づけ親である堀井雄二氏が過去に劇画村塾で教わった知恵がつまっています。

 

劇画村塾で堀井氏は

「タ行を濁音に変える(ダ行にする)と印象に残りやすい」

 「“易しい言葉”と“難しい言葉”を組み合わせるといい」

と教わったそうです。そしてこの教えがタイトル『ドラゴンクエスト』に反映されたそうです。


また『ドラゴンクエスト』には呪文が登場しますが、呪文が長くなるとその魔法が強くなると言われています。(※1)


ここで弊社サービス『感性AIアナリティクス』を使い、呪文が長くなるとより強い印象を持つか調べてみました! 今回は火の魔法「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」を調べます。『ドラゴンクエスト』の設定では「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」の順に強い魔法となります。


こちらが結果です。

ドラゴンクエストのネーミングの印象

グラフの縦軸を見ると「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」の順にだんだんと強い印象が増えるとわかります。名前が長いと「強い」印象を与えると推測できますね。また横軸に着目すると、同じ順で重厚な印象も増えるとわかります。


さらに強い魔法ほど呪文に濁音が入るとも言われています。(※1)

下のグラフは、いちばん強い呪文「メラゾーマ」の「弱いー強い」における印象結果です。

ドラゴンクエストのネーミングの印象2

「メラゾーマ」にある濁音「ゾ」の横棒グラフを見ると「強い」印象の数値が非常に高いですね。濁音も「強い」印象を与えると推測できます。


※1 川原繫人(2017)『「あ」は「い」より大きい!?―音象徴で学ぶ音声学入門―』pp.162-163 より



事例2:ポケットモンスター

音の印象を使ったネーミングの事例2

続いてこちらもゲームシリーズ『ポケットモンスター』です。ポケットモンスターのモンスターの名前にはひとつの傾向があると言われています。

 

それは名前に濁音が多く使われるポケモンほど、進化が進んでおり(※2)、体重が重く、体長が大きいことです(※3)。例えばポケモンの『ゴース』は『ゲンガー』に進化します。「ゴース」と「ゲンガー」を比べると、名前にある濁音の数が1個から2個へ増えていますね。またゴースの重さが0.1kg・大きさが1.3m、ゲンガーの重さが40.5kg・大きさが1.5mであり進化後に増えています(※4)。


この結果から濁音には「重い」「大きい」印象があると推測できます。


※2 レベルが上がると進化するポケモンがいます。進化するとポケモンの名前が変わります

※3 川原繫人(2017)『「あ」は「い」より大きい!?―音象徴で学ぶ音声学入門―』p.156 より

※4 『ポケモンずかん』では「大きさ」ではなく「高さ」と書かれています

 


事例3:パピコ

音の印象を使ったネーミングの事例3

アイスの『PAPICO(パピコ)』も音の印象をもとにネーミングされた商品です。

 

「パピコ」の「パピ」ですが、パ行の音(「パ」「ピ」「プ」「ぺ」「ポ」)は発音の歯切れが良く、明るいイメージがあるため使われているそうです。


感性AIアナリティクス』で「パピコ」の音に持つ印象を調べてみると次のようになりました!

46個印象がある中、上位3つの印象は「軽快な」「若々しい」「明るい」でした。ポップで明るい印象がある『パピコ』の印象に合っていますね。またこのような印象から、思わずシェアしたくなりそうです!



事例4:ポカリスエット

音の印象を使ったネーミングの事例4

飲料『ポカリスエット』でもネーミングに工夫がされています。

 

ポカリスエットの「ポカリ」は語呂が良く、爽やかな青空を連想させる響きであるためつけたそうです。また「スエット」はコンセプトである「汗」を伝えるためにつけた単語であるそうです。


ここで『感性AIアナリティクス』を使って「ポカリ」に爽やかな印象があるか調べてみました。比べる対象としてポカリに似た(ポカリと母音が同じ)架空の単語「ノアミ」の印象も調べました。

 

こちらが結果になります。

音の印象を使ったネーミングの調査結果1
「ポカリ」の結果
音の印象を使ったネーミングの調査結果2
「ノアミ」の結果

グラフを見ると「ポカリ」のほうが「ノアミ」に比べて全体的に爽やかな印象がありますね。特に「ポ」と「カ」に爽やかな印象があるようです。「ノアミ」は全体的に濃密な印象が強いようですね。

 

いかがでしょうか? 商品のネーミングには多くの工夫が見られます。ぜひ今回ご紹介した音の印象を活用してみてください!



音の印象について さらに詳しい説明はこちら!


こちらではネーミングを対象とした音と印象の結びつきについて、感性AICOOの坂本が詳しく解説しております。ぜひあわせてご覧ください!

音の印象を使ったネーミングのコラム


参考文献・参考サイト


川原繫人(2017)『「あ」は「い」より大きい!?―音象徴で学ぶ音声学入門―』ひつじ書房

 

ドラゴンクエストの呪文

スクウェア・エニックス (監修)スタジオベントスタッフ (編集)(2011)

『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書』スクウェア・エニックス


ポケモンの進化


ポケモン『ゴース』『ゲンガー』


PAPICO(パピコ)


ポカリスエット



 

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