ブランディングとは? 意味をわかりやすく解説
更新日:9月12日
第2回 ブランディングとは?
ブランドは身近な存在ですが、その概念や定義を把握されている方は少ないのではないでしょうか? そこで5回のコラムにわたりブランドについてご説明しています。
前回(第1回)はブランドとは何かについてご説明しました。今回はブランディングとは何かをご説明します。
第2回 ブランディングとは?
ブランドとは? ブランディングとは? などブランドについて丁寧に解説しているお役立ち資料はこちら。マーケティングにおけるブランド価値と、感性価値も合わせて解説しています。
ブランディングとは何か
ブランド研究の第一人者であるKellerは、ブランディングを商品やサービスにブランド・エクイティの力を与えることであると述べます。(※1)
※1 Keller, K. L. (2013) Strategic brand management, 4th, Pearson. (恩藏直人監訳 (2015))『戦略的ブランド・マネジメント第4版 : エッセンシャル』東急エージェンシー)
ブランド・エクイティ(brand equity)とはブランドが消費者に与える目に見えない資産価値のことです。
例えば企業Aが売り出すお茶A、企業Bが売り出すお茶Bがあるとします。企業Aと企業Bで同じマーケティング活動をしても、売り上げに差が生まれる可能性があります。これは、企業Aやお茶A、企業Bやお茶Bに対して消費者が持つブランド・エクイティが異なるためです。
そしてこのブランド・エクイティの力を、企業や商品へ与えることをブランディングといいます。
ブランディングに重要なブランド知識
ここで着目したいのは、ブランド・エクイティを形づくるブランド知識です。ブランド知識がよりよいものとして消費者に蓄積されれば、ブランド・エクイティの力が大きくなり、ブランディング成功の可能性が高まります。
ブランド知識は、ブランド認知とブランド・イメージによって構成されます。
ブランド認知とはブランドに対する認知の程度のことです。具体的には、そのブランドを認識できるか、そして「チョコレートといえばあのメーカーのブランド」など製品カテゴリーの情報が与えられたときに想起できるかなどがあります。
そしてブランド・イメージは、ブランドに対して消費者が持つイメージであり、これは強く、好ましく、ユニークであることが重要です。
ブランディングの種類
ブランディングは2種類あります。
アウターブランディング
インナーブランディング
アウターブランディングとは社外に対して実施するブランディングです。消費者に、企業や商品の価値に共感してもらうために実施します。テレビCMや新聞広告だけでなくSNSやYouTube活動などもあります。
インナーブランディングとは社内に対して実施するブランディングです。従業員のブランド知識を統一したり、企業に対する満足度を高めたりするために実施します。教育や表彰、オフィス環境の整備、福利厚生などがあります。
ブランディングをする4つのメリット
ブランディングにはさまざまなメリットがあります。今回は社外に対して実施するアウターブランディングのメリットを4つあげます。
ブランディングのメリット1:自社商品が選ばれる
1つ目のメリットは自社商品が選ばれることです。ブランディングを実施すると消費者の、企業や商品へ対する信頼が上がり、自社商品が選ばれる可能性が高まります。
ブランディングのメリット2:価格競争を避けられる
2つ目のメリットは価格競争を避けられることです。ブランディングがされていない場合、企業や商品をブランドによって差別化できず、価格のみで差別化することになります。その結果、価格による競争となってしまいます。
一方でブランディングされている場合、「この商品は安心できる会社がつくっているから買おう」など、ブランドによって差別化されます。つまり価格以外の要素で差別化でき、価格競争を避けられます。
ブランディングのメリット3:企業が安定する
3つ目のメリットは企業が安定することです。ブランド知識を持ち、ブランドに対してよいイメージを持つ消費者は、そのブランドのファンとなる可能性があります。ファンは商品をリピート購入したり、新商品を試してくれたりします。その結果、売上が上がり、企業の安定につながります。また安定により、新商品発売など、挑戦的なことにも取り組みやすくなります。
ブランディングのメリット4:宣伝費用を抑えられる
4つ目のメリットは宣伝費用を抑えられることです。ブランドのファンとなった消費者は、宣伝の有無にかかわらず商品を買ってくれる可能性があります。また口コミなどにより新たな消費者を呼ぶ場合もあります。そのため宣伝費用を抑えながらも安定した売上を出せます。
まとめ
ブランディングとは、商品やサービスにブランド・エクイティ(※2)の力を与えることです。そしてブランド・エクイティの力を与えるためには、よりよいブランド知識を消費者に持ってもらうことが重要です。
※2 ブランドが消費者に与える目に見えない資産価値
では、どのような手順でブランディングを実施すれば良いでしょうか? 次回は、強いブランドの構築方法について考えます。ぜひこちらもご覧ください。
第2回 ブランディングとは?
マーケティングにおいて重要な感性を紐解いていくことで、ブランド強化に繋げる方法を感性AI CEOが丁寧に解説いたします。
参考文献
Keller, K. L. (2013) Strategic brand management, 4th, Pearson. (恩藏直人監訳 (2015) 『戦略的ブランド・マネジメント第4版 : エッセンシャル』東急エージェンシー)
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