テックブログ vol.1 -日々の気持ちを可視化・記録するアプリケーション「Kansei-kimochi」-
感性AIのエンジニアの鷲尾です。
本記事では、気持ちの記録・可視化アプリケーション(Kansei-kimochi)を開発した際に気をつけた点や、どのような場面で使ってもらいたいかを書いていきます。
Kansei-kimochi とは
微細な感情や心の動きなどを言い表すときには
「すっきり」、「わくわく」、「ゆったり」、「ぐったり」、「いらいら」、「ドキドキ」などのようなオノマトペを多用する傾向にあります。
一言のオノマトペから、より簡易に、かつより精緻に体と心の健康状態をチェック・記録し、定量化・データ化することが可能です。
例えば、
2022 年 12 月 25 日:しゃきーん
2022 年 12 月 26 日:るんるん
2022 年 12 月 27 日:ぐだぐだ
2022 年 12 月 28 日:すっきり
を記録した場合の、「明るさ」「嬉しさ」「快適さ」「楽しさ」「陽気さ」を AI を用いて定量化すると以下のようになります。
上記のグラフで、プラスの数値ではポジティブな印象、
マイナスの数値ではネガティブな印象と読み取ります。
「しゃきーん」「るんるん」「すっきり」は、
「明るい」「嬉しい」「快適」「楽しい」「陽気」な印象があると評価された一方、「がっかり」は反対に「暗い」「悲しい」「不快」「つまらない」「陰気な」印象があると評価されました。
個人的には、直感的に納得感のある評価結果だと思いました。
その他にも、記録した一言のオノマトペから連想される色も評価されます。
オノマトペから連想される色を AI が例えてくれるため、
色から新たな気づきを得られ、アイディアや日常の生活に広がりが出ることも考えられます。
以下の画像では、先程の記録(2022 年 12 月 25 日~2022 年 12 月 28 日)を基に評価された色です。
個人的にはポジティブなオノマトペが多かったこともあり、評価される色も
比較的明るめなものが多いと思いました。
Kansei-kimochi を開発する際に気をつけたポイント
Kansei-kimochi を開発する際には、以下のポイントに気をつけました。
使用する技術
感性AIでは、以下の技術に合わせることで社内の他のエンジニアでも改修や機能追加を担当できるようにしています。
フロントエンド:NuxtJS
バックエンド:Python
※ インフラは AWS 上で構築
様々な新しい技術が出てきているため、新しいサービスを開発する場合に新しい技術を採用したい気持ちになることがあります。
しかし、学習にあたってコストが掛かったり、引き継ぎしづらくなったりするなどのデメリットが多いため慎重に技術選定をおこないます。
各画面のレイアウト
Kansei-kimochi は、パソコンのブラウザだけではなくスマートフォンのブラウザからの利用も想定しております。
そのため、比較的画面のサイズが小さい iPhone SE(第 1 世代)の画面サイズ相当で表示した際に、1 画面内に収まるようにレイアウトを調整しつつ、ボタンなどの入力する項目を小さくしすぎないようにしました。
一方、レポートの画面ではグラフが重要なため 1 画面内に収めていないなどの例外があります。
どのような場面で利用して欲しいか
企業などの組織や高齢者のコミュニティで簡易的にメンタルの状態を把握したい状況で利用いただきたいと思います。
Kansei-kimochi では、メンタルの状況を手軽に知りたい場合にはとても重宝すると考えております。
1 日に複数回評価することができ、1 回あたり数分程度で評価ができます。
企業の場合では年に 1 度ほど実施される、質問票や Web サイトで回答されるメンタル状態の検査に加えて、
Kansei-kimochi で日々の記録をとったり、特定期間内で記録をとったりすることでお手軽にメンタルの状態を
把握する使い方が考えられます。
高齢者のコミュニティでは多くの質問に答えてもらうと負担がかかることも想定されますが、
Kansei-kimochi を使いオノマトペで回答することによって、気持ちの評価を少ない負担で行うことができます。
Kansei-kimochi は 2023 年 1 月現在 β 版を開発しており、企業様と協力・連携をしながらより良いサービスを提供していきたいと考えております。ご興味がございましたら是非弊社までご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
感性AIではこのような技術を元に、HAPPINESSを実感できる社会を目指しております。
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