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ネーミングの音と印象の結びつきの法則|感性AIコラム

更新日:2023年12月27日


音と印象の結びつきは言語や文化を超えて存在


ネーミングの音と印象の結びつきの法則

古くから、物語の架空の登場人物に名前を付けるときには、その登場人物の特徴を表す音を使った名前が付けられてきました。 例えば、1726年に出版されたスイフトのガリバー旅行記の中に登場する小人はリリパット族(Liliputians)、巨人はブロッブ族(Brobdingnagians)と名付けられています。実は、/i/は小さいイメージと結びつき、/o/は大きいイメージと結びつくこと、清音は軽快なイメージと結びつき、濁音は重いイメージと結びつくということが、言語や文化を超えた普遍的な傾向であると言語学や心理学の研究を通して示されています。




マーケティングにおけるブランド価値と感性価値



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商品名のネーミングにも音に印象が結びつく

商品名についても、商品名の音に印象が結びつくということが世界中で研究されています。 アメリカのマーケティング学者Klink教授は、2000年以降の一連の研究を通して、次のことを明らかにしています。このことがきっかけとなり、さらに研究が盛んになりました。


  • 商品名の発音は、単独でも製品の大きさ・速さ・重さ・色の明度・力強さなどの商品の特徴を消費者に伝えることができる

  • 消費者は商品特徴を象徴する発音のネーミングの商品を、そうでない商品よりも好む

商品名のネーミングにも音が印象に結びつく


例えば、アメリカで行われた研究では、FrishとFroshという架空のアイスクリームの名前を被験者に呈示した調査を行った結果、/o/を使っているFroshの方が滑らかでクリーミーで濃厚な印象を持たれやすいことを報告しています。(Yorkston & Menon(2004)) 他にも、2つの商品名の一部だけを入れ替えて、印象がどう変わるかという実験が流行し、ケチャップの名前、チョコレートの名前など、いろいろな商品を対象にした研究が行われました。



音と印象の結びつきの法則

私の研究室でも、言語音と手触りや味などの関係について調べてきました。 言語音と味の特徴の結びつきについて、

例えば次のような傾向があることがわかっています。

音と印象の結びつきの法則

商品カテゴリにより異なる音の効果

『なるほど、それならば、

 どのような音がどのような印象と結びつくかのリストがあれば、

 それを組み合わせて商品名を考えられる!』


と思われるかもしれません。 しかし、実はそんなに単純ではありません。 一つ一つの音が使われる位置、他の音との組み合わせによる効果などは、 商品カテゴリごとに違うからです。 この点については、次の時間の「ネーミングの効果」にて詳しく説明したいと思います。



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電気通信大学副学長坂本真樹

この記事を書いた人

感性AI株式会社COO 坂本 真樹

1998年東京大学言語情報科学専攻博士課程修了(博士学術)東京大学助手を経て、2000年電気通信大学着任、2015年教授.2020年副学長.人工知能先端研究センター副センター長.人工知能学会理事・広告学会評議員など歴任.日本学術会議連携会員.

 


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